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雫井脩介の恋愛小説を映画化した「クローズド・ノート」(行定勲監督)を観て来ました。なお、私は原作既読で両方のネタバレ入っています。ご注意ください。 まず最初に、原作小説の話をします。これは主人公・香恵の心の成長を綴る物語。平凡な女子大生だった彼女が、伊吹先生のノートとイラストレーターの石飛さんに出会ったことによって変わって行く、その過程がストーリーの要です。 石飛さんが伊吹先生の恋人で、その伊吹先生はもうこの世にはいないというのが、オチじゃなくて前提になっているのがこのお話の巧みなところ。それを読者は最初に気づいてしまうので、主人公香恵の言動をハラハラしながら見守ることになります。 日記の真実というのはあくまでも物語の過程の一つで、それを受けて香恵がどう行動するかが、この物語の重要なところ。伊吹先生の死を聞かされた香恵は、花菜ちゃんの元カレ・鹿島を引っ叩き、石飛さんの個展で恋敵の山崎女史を出し抜いて、日記の最後のページを朗読し、伊吹先生の思いと同時に香恵自身の思いも伝えます。 そしてラスト、香恵と石飛さんは和解し、これからの関係を暗示させつつ終ります。 (原作の感想はこちら。) さて、映画の方はどうでしょうか。序盤はほぼ原作どおりに進みます。ところが、中盤、マンドリンの演奏会以降は原作とはほぼ別物。オリジナルの展開といえば、聞こえがいいのですが、実際はとても誉められたものではありません。 まず、香恵が石飛さんに魅かれて仲良くなっていく過程が描かれていない。当然ハナちゃんの彼氏である鹿島との間で揺れる心も描かれません。鹿島は途中でどこかへ消えてしまい、香恵はいつの間にか石飛さんの携帯番号や住所まで知っている。そんな描写はまったくなかったのに。(おかしなことに鹿島とは携帯教えたってやりとりがあった) 一番驚いたのが、香恵が石飛さんの家をいきなり訪ねて、「あなたのこと好きです」っていうシーン。いや、それはちょっと唐突だろう。だいたい携帯持っているんだから、事前に彼が家にいるかどうか確認ぐらいしなさいよ。 で、そこにいた山崎女史が「彼の心の中には別の人がいるんだよねー。残念ながらそれはあたしじゃないんだけど」ってミもフタもないことを言う。そして、更にとんでもないことに、後で石飛さんが香恵の家を訪ねて、「さっきはゴメン。でもそういうことなんだ」って追い討ちをかけに来る。それだけでは留まらず「でも個展には来てほしい」って、いったいどういうわけ?鬼かこいつは!?(笑) こんなやり取りのあとでは、個展での朗読シーンも茶番にしか見えない。どうせやるのだったら、原作どおり、香恵が伊吹先生の学校を訪ねた後にすれば良かったのに。 伊吹先生のエピソードもなんだか美化されているっていうか、映像にするとありえないっていうか。登校拒否児童の家を2回訪ねただけでその子が学校にやって来るなんて、ちょっと都合よすぎでしょう。しかもやっていることは合唱のテープ届けただけだし。この辺にも丁寧さが感じられないんですよね。 最後の日記を破り捨てて紙飛行機にして飛ばすという行為も意味不明。だいたい私的な恋愛感情まで書いてある日記を学校に持って来て、それを教室の窓から投げ捨てるっていうメンタリティがよくわからない。他にも、生徒のテストを自宅に持って帰って恋人のいるところで採点し、しかも紛失するなんて教師としては大問題でしょう。こういう原作にないエピソードをどうしてわざわざ入れるんでしょうか。 ラストシーン。ファンタジックにしたいのはわかります。でも、ちょっと無理矢理過ぎないか。児童が一斉に紙飛行機を飛ばし、それには「伊吹先生、心の力をありがとう」って書いてあるなんて、そこまで彼女を美化する必要はなかったでしょうに。 いろいろダメ出ししましたが、それも期待感の裏返しってことで。特に自分がロケに参加した作品だけあって、思い入れも大きかったのです。更に原作が良かったことも期待した要因のひとつでした。 (ロケに参加したレポートはこちら→(その1)(その2)) 原作を一度解体して再構成するという監督の心意気や良し、ですが、それで原作より劣ってしまってはダメだと思います。映像的には綺麗で観るべきところが多々あったし、沢尻エリカを始めとするキャストは皆好演していたので、あとは構成さえ間違っていなかったらもっと良くなったのに、残念なことです。 ※総合評価。5段階で星三つ。「遠くの空に消えた」みたいに、途中で眠たくなってしまうことはなかったです。キャストの演技と映像美だけでも、元は取れると思います。 |
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クローズド・ノート(映画評・感想)
クローズド・ノート鑑賞。 ささくれだった心が柔らかくなる感じ。 ホントに泣けた。 ...続きを見る |
blog50-1 2008/02/26 14:31 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
こんばんは〜。 |
綾 2007/10/03 21:48 |
綾さん、いらっしゃいませ。 |
管理人 2007/10/04 18:44 |
しばらく不登校だった子が、ひさしぶりの登校時に |
yutaka URL 2007/10/05 23:57 |
もう君代ちゃんのエピソードはツッコミどころ満載ですよね。 |
管理人 2007/10/06 00:37 |
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