映画「悪夢のエレベーター」感想

 木下半太の同名の小説を映画化した「悪夢のエレベーター」(堀部圭亮監督)を観ました。その感想をネタバレ無しに語ってみます。


 まずはあらすじ紹介。事故でマンションのエレベーターに閉じ込められたヤクザ、イケメン、ジョギングおじさん、ゴスロリ少女。この四人はそれぞれ特殊な事情を持っていて、それを順番に語っているうちに何やら雲行きは怪しい方向へ。さて、この四人は無事にエレベーターから脱出できるのか?

 ……というのが、序盤の内容。で、中盤以降は話が二転三転します。序盤の見所は、身の上話をするたびにころころ変わる四人の力関係。まあこのあたりは密室物のお約束ですね。
 中盤から先はサスペンスというよりジェットコースター・ムービーに近いかな? でも邦画の常としてあまり疾走感はないんですけど。
 終盤は、これは明らかにブラックジョーク満載のホラーコメディ。正直この展開は予想外で、連発されるブラックなネタを受け入れられるかどうかで、この映画に対する評価が分かれそう。私はこういうの好きだからなんともなかったというか、積極的に面白がっていたのですが。

 キャストでは、序盤の主役というか、視聴者目線を提供するイケメンキャラに斉藤工。ドラマ「親孝行プレイ」の時はあまり演技が達者だとは思わなかったけど、この映画ではいいですね。映画向きの役者さんなのかも知れません。
 後半の主役は内野聖陽。この人の演技も良かったです。キャラの使い分けもちゃんと出来ていましたし、何気に関西弁も違和感なかった。
 この映画のヒロインというか鍵を握る少女役に佐津川愛美。流石に上手いというか、この世代で彼女の演技力は頭三つくらい抜けていますね。キャラ作りも完璧でした。彼女の存在が、この映画を一歩レベルの高いものへと押し上げていると思います。
 あと、モト冬樹も上手だった。というか、主演キャストに演技の下手な人がいないというのは大きなアドバンテージですね。ドラマだとこうはいかない。

 これと同じようなプロット重視の映画としては、「キサラギ」や「アフタースクール」がありますが、私的にはこれが一番でした。次が「アフタースクール」でしんがりが「キサラギ」かな。世間的な好みとは逆でしょうが、こういうちょっと変わった映画があってもいいと思うので。


※総合評価。五段階で星四つ。構成の巧みさとキャストの演技力が光る作品。特に佐津川愛美ファンの方は必見でしょう。