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土曜日にBS2でやっていた映画「チルソクの夏」(2003年、佐々部清監督)の感想です。ラストまでネタバレしていますので、未見の方は注意。 1977年の下関と釜山を舞台にした純愛路線の青春映画。主演は水谷妃里で、その友人の女子高生役3人に上野樹里、桂亜沙美、三村恭代。ほとんど水谷妃里を中心に話が展開するのですが、彼女は清楚な感じはするものの個性があまりなくて、結果的に一番目立っていたのが上野樹里。だからこの映画、水谷妃里の初主演作品というよりは、上野樹里の映画初出演作品として世間に認知されてるっぽい。事実私もそう思ってましたし。(^^; お話的にはすごく淡々と進みます。クライマックスらしいクライマックスもない。なんとなく好きになって、なんとなくつきあって、なんとなく別れてしまったという、ごくごく淡くて薄いお話。でも、日本人と韓国人の恋愛を熱っぽく描くとドロドロになっちゃうだろうから、これでいいのかも知れません。 ラストは、青春純愛モノの定番ネタ、青春時代に果たせなかった約束を大人になってから果たすという場面で終わります。このラストも含めて、手堅くまとまっているというか、安心して見られる映画ではありますね。ストーリー面ではあまり印象に残る作品ではありませんでしたが。 でも、個々のシーンでは結構印象的なのがたくさんあります。 郁子とアンが最初に出会い、日本語と英語と韓国語交じりで会話をするシーン。 日韓高校生の交流会のシーン。ピンクレディーの「カルメン77」を振り付けつきで歌う主人公たち4人と、それに合わせて踊る日本の女子高生。それを見てあっけに取られる韓国の男子高校生たち。 同じく交流会でイルカの「なごり雪」を日本語で歌うアン。しかし、彼は「日本語の歌は禁止だ!」と教師たちに無理やり連れ出されてしまう。 関門海峡の地下トンネルでのシーン。朝鮮半島の政治問題について熱っぽく語るアンに対して郁子は、「私たち、そんな真面目な話、しない。テレビの話とか誰と誰が好きだとか、そんな話ばっかり」と面目なさそうに言う。アンは「ダカラ日本ハ平和デイインダヨ。早クKoreanモ、ソウナレバイイ」と答える。これはこの映画の中でのベストシーンだと思います。 だけど、一番印象に残ったのは、韓国と日本との国際交流を謳った親善陸上競技大会で芽生えた恋なのに、大人たちはそれを祝福するどころかお互いに交際を認めようとしないという、大人社会に対する痛烈な皮肉を扱っているところでしょうか。一見穏やかな純愛物語に見えながら、その裏には結構な毒が隠されているという、そういう意味でこの映画は通り一遍の青春物とは違う作品になっています。 最後に私的なマイナスポイントは、ご当地下関出身というだけで出演させられている山本譲二のなんだこりゃ演技と、女子高生たちがアカペラで歌う「なごり雪」でしょうか。人によって評価は分かれるでしょうが、私はこの二つのシーンでは思わず笑ってしまいました。(^^; ※総合評価、5段階で星3つ。4人の女子高生たちがもっと個性的なキャラなら、星4つになったと思います。 |
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